豆知識
近年、倉庫や工場における物流の効率化がますます重要視されています。
その中で、垂直搬送機は、荷物を上下にスムーズに運搬できる便利な荷物専用の搬送設備として、多くの現場で導入されています。
しかし、便利な反面、垂直搬送機は定期的な点検やメンテナンスを怠ると、思わぬ事故につながる危険性があります。
この記事では、垂直搬送機の点検義務や、点検を怠った場合のリスク、自主点検やメンテナンスの重要性について詳しく解説します。
目次
垂直搬送機は、荷物を複数の階層へ垂直に運ぶための設備です。
人を運ぶことはできませんが、荷物の搬送に特化し、スピーディーかつ安全に運びます。
従来の荷物用エレベーターと異なり、建築基準法上の「昇降機」に該当しないため、建築確認申請や所轄都道府県労働局長の許可が不要で、比較的容易に設置が可能という点も魅力です。
垂直搬送機にはエレベーターの定期報告のような法定点検の義務はありません。
建築基準法の適用対象外であるため、点検やメンテナンスは任意で行われ、法定のルールや規定に従う必要はありません。
エレベーターなどの昇降機は建築基準法の適用を受け、法定点検を実施しなかったり虚偽の報告をしたりすると、法違反で罰せられるリスクがあります。
しかし、垂直搬送機は昇降機に該当しないため、点検をしなくても法的な罰則はありません。
垂直搬送機には点検義務が無いからといって、点検やメンテナンスを先延ばしにしていると、想像以上の損失を招きかねません。
具体的には、以下の4つの落とし穴に注意が必要です。
メンテナンスを怠ると、垂直搬送機の性能が低下し、作業に支障をきたします。
例えば、荷物の移動が遅くなったり、稼働までに時間がかかったりして、作業全体の効率がダウンしてしまう可能性があります。
また、垂直搬送機が施設の稼働に重要な役割を担っている場合、生産ライン全体に大きな影響を与えることになりかねません。
メンテナンスを怠ると、垂直搬送機の寿命が縮み、本来よりも早く故障してしまう可能性があります。
劣化が進行した垂直搬送機は、本来の性能を発揮できなくなり、やがて動かなくなってしまうでしょう。
そうなれば、作業がストップし、再設置まで生産ライン全体が稼働停止状態に陥ってしまいます。
再設置には、メンテナンス費用よりも高額な費用がかかります。
さらに、修理・交換工事の間は作業ができないため、生産性も低下し、さらなる損失を被ることになります。
メンテナンスを怠ると、垂直搬送機が故障し、思わぬ事故を引き起こす可能性があります。
軽微な故障であれば、荷物や設備を巻き込む程度の事故で済むかもしれませんが、最悪の場合は人を巻き込んだ人身事故に発展する可能性も否定できません。
人身事故が発生した場合、被害者への治療費や慰謝料、さらには損害賠償請求など、莫大な経済的損失を被るだけでなく、企業の社会的信用を失墜させる事態にもつながりかねません。
メンテナンスを怠ったことで、もし事故が発生したり、関係機関から指摘を受けたりすれば、会社としての責任が問われるだけでなく、築き上げてきた信用を大きく失墜させてしまう可能性があります。
失った信用は容易に取り戻せるものではありません。
顧客や取引先からの信頼を失い、新規顧客の獲得も困難になるでしょう。
さらに、行政処分を受けたり、訴訟に巻き込まれたりと、会社経営にも大きな支障をきたす可能性があります。
垂直搬送機は、建築基準法に基づく法定点検の対象ではありません。
しかし、だからといって自主点検やメンテナンスが不要というわけではありません。
エレベーターと同様に、垂直搬送機も含め機械設備は経年劣化していくものです。
メーカー推奨の点検・メンテナンスを定期的に実施し、垂直搬送機の健全な状態を維持しましょう。
垂直搬送機は、荷物の運搬や作業効率の向上に欠かせない搬送設備ですが、安全に使用するためには定期的な点検・メンテナンスが不可欠です。
法令で義務付けられていなくても、自主点検・メンテナンスを怠ると、思わぬ事故や故障、生産性の低下など、取り返しのつかない損失を招く可能性があります。
この記事では、垂直搬送機の点検義務、点検・メンテナンスを怠った場合のリスク、自主点検・メンテナンスの重要性について解説しました。
垂直搬送機を安全かつ効率的に運用するためには、メーカー推奨の頻度で自主点検・メンテナンスを実施することが重要です。
今すぐ、自社の垂直搬送機の点検状況を確認し、必要な対策を講じましょう。
垂直搬送機の安全を守ることは、従業員の安全を守ることに繋がります。
当社スタッフがお客様の昇降機(エレベーター・簡易リフト・小荷物専用昇降機)の状況(使用年数、故障箇所、不具合)等を伺い、必要であればリニューアル・部品交換も視野に入れた最善策をご提案いたします。
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