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豆知識

投稿日 2024/08/19
更新日 2024/08/28

簡易リフトとは?点検義務やメンテナンスをすすめる理由について解説

簡易リフトとは?点検義務やメンテナンスをすすめる理由について解説

「あなたの会社の簡易リフト、本当に安全ですか?」

毎日、多くの荷物をスムーズに運んでくれる頼もしい存在、簡易リフト。
しかし、その安全性をあなたはどこまで意識していますか?

簡易リフトは、長期間の使用や負荷によって、様々な部分に摩耗や劣化が生じます。
それらの小さな異常を見過ごしてしまうと、思わぬ事故につながる可能性もあり、最悪の場合、人身事故や物的損害といった大きな問題に発展する恐れもあります。

「うちでは今まで大きな問題が起きたことはないし…」と安心しているあなたも、一度立ち止まって考えてみてください。
もし、あなたの会社の簡易リフトが突然動かなくなったら?あるいは、作業中に部品が破損してしまったら?その時に、あなたはどのように対応できるでしょうか。

このような不安を抱えているあなたのために、この記事では、簡易リフトの点検の重要性について詳しく解説していきます。
点検を怠ることで起こりうるリスクから、定期的な点検のメリット、そして異常を感じたときの対処法まで、わかりやすくご紹介します。

簡易リフトとは?

労働安全衛生法施行令第1条第9項で定義される「簡易リフト」は、工場や倉庫などにおいて、荷物を運搬することを目的とした昇降機です。
法律上、人が乗ることは禁止されており、搬器の大きさは床面積1平方メートル以下または高さ1.2メートル以下などの定めがあります。

簡易リフトの点検義務について

簡易リフトの安全運用には、自主検査と定期的なメンテナンスが不可欠です。

クレーン等安全規則に基づき、簡易リフトの自主点検は事業者の義務として定められています。
まず、設置後1年以内ごとに1回、定期的に自主検査を行うことが求められております。
自主検査は、積載荷重に相当する重量を乗せ、定格速度で昇降させる試験を実施し、リフトの安全性を確認します。ただし、1年以上使用しないリフトについては、使用再開時にこの自主検査を実施する必要があります。

また、月次点検として、毎月1回、以下の事項について自主検査を行わなければなりません。
巻過防止装置や安全装置、ブレーキ、制御装置の異常の有無、ワイヤロープの損傷の有無、ガイドレールの状態を確認し、安全運用を確保します。
これらの点検を怠ると、重大な事故の原因となるため、事業者は特に注意を払う必要があります。

なお、簡易リフトには、エレベーターの定期報告のような、行政等への報告義務はありませんが、簡易リフトの安全性を維持するために、事業者自身が定期的に自主検査を行い、その結果を記録して3年間保存することが義務付けられています。
また、点検中に異常が発見された場合は、速やかに修理を行うことが求められます。

このように、簡易リフトの安全管理は、事業者自身の責任であり、定期的な点検とメンテナンスが事故防止において非常に重要な役割を果たします。

簡易リフトの保守点検やメンテナンスをすすめる4つの理由

簡易リフトは適切な保守点検やメンテナンスを行うことで、多くのメリットがあります。
ここからは、簡易リフトの保守点検やメンテナンスをおすすめする4つの理由をご紹介します。

寿命を延ばし、修理費の削減につながる

定期的な保守点検やメンテナンスを実施することで、簡易リフトの寿命を延ばし、修理費用を削減できます。
簡易リフトは消耗・劣化する人工物であり、保守点検やメンテナンスを怠ると想定寿命よりも早く故障してしまう可能性が高まります。

例えば、グリスの不足によりレールとガイドシューの摩擦が増加し、部品の劣化が通常より早く進行してしまいます。
その結果、レール・ガイドシュー・ワイヤーロープなどの交換が必要になる場合もあります。
定期的なメンテナンスを行うことで、簡易リフトの状態を良好に保ち、安全に長く使い続けるとともに、修理費用の削減にもつながります。

業務遅延のリスクを最小限に抑える

昇降機部品情報を把握していることで、故障時の業務遅延リスクを最小限に抑えます。
メンテナンスや保守契約を結んでいない簡易リフトは、現状を把握できていない場合があり、故障の際、状況確認後に再訪問が必要となるケースが多く、「時間」と「費用」がかさむことがあります。

一方、状況把握及びメンテナンス業者と契約を結んでいる簡易リフトの場合、万が一トラブルが発生した際には、迅速に部品を手配し、メンテナンススタッフがすぐに駆けつけます。

故障を未然に防ぐことができる

定期的な保守点検やメンテナンスを実施することで、簡易リフトの故障リスクを減らし、性能を維持することができます。
使用頻度の高い簡易リフトの場合、関連パーツが損耗し、故障する可能性は否定できません。
もし簡易リフトが故障すれば、工場では生産が停止し、倉庫では荷物の移動に手間がかかるなど、業務全体に影響を及ぼすことがあります。

また、部品の摩耗や破損が進むと、性能が低下し、異音が発生したり、業務の効率が悪化する可能性もあります。
定期メンテナンスにより、問題が発生する前に部品の交換や修繕を行い、性能を良好に保ちながら、故障を未然に防ぐことができます。

事故を未然に防ぐことができる

簡易リフトの定期メンテナンスを実施することで、事故の発生リスクを大幅に減らすことができます。
メンテナンスを怠り、設備が劣化した状態で使用を続けると、物損事故や人身事故を引き起こす可能性が高まります。

特に、ドアロックやリミットスイッチなどの電気系統の部品は、メンテナンス不足によって突然故障することがあり、これが「人の転落」や「人が挟まる」などの重大な事故につながる恐れがあります。

事故が発生すれば、関係省庁からの指導や損害賠償、治療費や慰謝料の請求といった深刻な問題に直面することになります。
こうしたリスクを避けるためにも、定期的なメンテナンスを行い、事故につながる問題を未然に防ぐことが不可欠です。

簡易リフトの異常を感じたら

前述において、クレーン等安全規則に基づく定期メンテナンスについて説明しましたが、もし簡易リフトに異常を感じた場合は、早めにメンテナンスを依頼することが重要です。
簡易リフトに以下のような症状や不安がある場合、点検・メンテナンスを検討することをお勧めします。

  • 稼働中に異常な音や振動が発生する
  • 以前と比べて動きが不安定に感じる
  • 設置からの経年が進んでおり、不安を感じる
  • 利用者から簡易リフトに関する疑問や問題が報告された

簡易リフトのメンテナンスを行うことで、故障や事故のリスクを低減できるだけでなく、稼働効率を向上させ、作業全体の効率を高める効果も期待できます。
日常的に簡易リフトを使用している作業員の意見を参考にし、異常を感じた際には早めにメンテナンスを行いましょう。

まとめ

簡易リフトの安全な運用は、企業の生産性と従業員の安全を守る上で不可欠です。
定期的な点検やメンテナンスは、単なる義務ではなく、あなたの施設をより安全で効率的にするための投資と言えるでしょう。

小さな異常を見逃すことで、大きな事故につながる可能性もあります。
この記事でご紹介した点検項目を参考に、ぜひ専門業者に相談し、より適切なメンテナンスを実施してください。


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