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豆知識

投稿日 2025/07/10
更新日 2025/07/22

エレベーター保守費用の相場は?内訳と安くするコツを解説

エレベーター保守費用の相場は?内訳と安くするコツを解説

「うちのエレベーターの保守費用、これって適正価格なのかな?」
「毎月のことだから、少しでもコストを抑えたい…」

エレベーターを所有する方であれば、一度はこんな風に思ったことがあるのではないでしょうか。安全を守るために不可欠な保守点検ですが、その費用は決して安いものではありません。しかし、「コストは抑えたい、でも安全性は絶対に譲れない」というのが皆さんの本音のはずです。

実は、エレベーターの保守費用は、契約内容や依頼する業者を見直すだけで、安全性はそのままに、年間数十万円ものコスト削減に繋がるケースも珍しくありません。

この記事では、エレベーターの保守費用について長年携わってきたプロの視点から詳しく解説します。

目次

【結論】エレベーター保守費用の相場は契約と業者で決まる

まず結論からお伝えします。エレベーターの保守費用は、主に「どの契約プランを選ぶか」と「どのタイプの業者に依頼するか」という2つの要素の組み合わせで決まります。この章では、料金相場の全体像が一目でわかる比較表と、契約前に必ず知っておくべき費用の内訳について詳しく見ていきましょう。

一目でわかる料金相場比較表

エレベーターの保守料金は、大きく分けて「POG契約」と「フルメンテナンス契約」、そして「メーカー系」と「独立系」の保守会社、この4つの組み合わせで相場が形成されています。 以下の表は、一般的な乗用エレベーターを想定した、月額費用の目安です。

契約プランメーカー系保守会社独立系保守会社
POG契約約30,000円 ~ 50,000円約15,000円 ~
フルメンテナンス契約約40,000円 ~ 60,000円約30,000円 ~
※上記はあくまで目安です。エレベーターの機種、規模、築年数、使用頻度などによって費用は変動します。

この表を見てわかる通り、独立系保守会社のPOG契約が最も安く、メーカー系保守会社のフルメンテナンス契約が最も高価になる傾向があります。なぜこのような価格差が生まれるのか、その理由は後の章で詳しく解説します。

契約前に知るべき費用の内訳

毎月支払う保守料金。その中に一体何が含まれているのか、正確にご存知でしょうか。契約内容を理解するために、基本的な費用の内訳を知っておきましょう。

  • 月額保守料金に含まれることが多いもの
    • 定期点検費用: 法律で定められた点検を定期的に行う費用。
    • 消耗品の交換費用: 電球やオイル、ヒューズといった安価な消耗品の代金と交換作業費。
    • 軽微な調整・修理費用: 点検時に発見された軽微な不具合の調整作業など。
    • 緊急時対応費用: 故障や閉じ込め発生時に、作業員が駆けつける出張・技術費用。(※契約内容による)
  • 別途費用(オプション)となることが多いもの
    • 法定検査費用: 年に一度の「定期検査報告」にかかる費用。保守契約とは別扱いのことが多いです。
    • 主要部品の交換費用: モーターや制御盤、ワイヤーロープといった高額な部品の交換。(※POG契約の場合)
    • 大規模な修理・リニューアル費用: 経年劣化に伴う大規模な改修工事など。
    • 意匠(デザイン)関連の変更費用: ボタンや照明のデザイン変更など。

契約書を確認する際は、どこまでが基本料金に含まれ、何が別途費用となるのかを明確に把握することが非常に重要です。

あなたはどっち?POG契約とフルメンテナンス契約の違い

エレベーターの保守契約には、大きく分けて「POG契約」と「フルメンテナンス契約」の2種類が存在します。このどちらを選ぶかによって、月々の支払い額だけでなく、長期的なコストやリスクの考え方も大きく変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、あなたの施設に合った契約形態を見極めましょう。

POG(パーツ・オイル・グリス)契約とは

POG契約は、その名の通り、定期的な点検(Maintenance)と、消耗品であるパーツ(Parts)、オイル(Oil)、グリス(Grease)の交換を主目的とした保守契約です。

  • メリット
    • 月々の保守料金が安いため、ランニングコストを抑えることができます。
  • デメリット
    • モーター、制御盤、ワイヤーロープといった高額な部品の交換や大規模な修理が発生した場合、その費用は別途請求されます。
    • 予期せぬ故障による突発的な高額出費のリスクがあり、長期的な予算計画が立てにくい側面があります。

フルメンテナンス契約とは

フルメンテナンス契約は、POG契約の内容に加えて、経年劣化によって発生する部品交換や修理費用が、あらかじめ月額料金に含まれている包括的な保守契約です。

  • メリット
    • 予期せぬ故障が発生しても、原則として追加の費用負担がないため、安心して任せられます。
    • 毎月の支出が一定になるため、長期的な予算計画が非常に立てやすいです。
  • デメリット
    • 故障リスクに備える保険的な意味合いがあるため、月々の保守料金はPOG契約よりも高額になります。

どちらを選ぶべきか?判断のポイント

「結局、POGとフルメンテナンス、どちらがいいの?」と悩む方も多いでしょう。以下に判断のポイントをまとめました。

  • POG契約が向いているケース
    • エレベーターが比較的新しい(設置後15年未満など)
    • 月々のランニングコストをできるだけ抑えたい
    • 突発的な出費に備えるための修繕積立金が潤沢にある
  • フルメンテナンス契約が向いているケース
    • エレベーターが古い(設置後15年以上)または使用頻度が非常に高い
    • 突発的な出費リスクを避け、毎月の支出を平準化したい
    • 予算管理をシンプルにし、手間をかけたくない

重要なのは、エレベーターの状況と、オーナー様(管理組合様)の予算管理の方針です。どちらが一方的に良いというわけではなく、状況に応じた最適な選択をすることが求められます。

なぜ価格が違う?メーカー系と独立系保守会社の特徴を比較

エレベーターの保守費用を考える上で、契約プランと並んで非常に重要なのが「どの会社に依頼するか」です。保守会社は、大きく分けてエレベーターを製造している「メーカー系」と、メーカーに属さず独立して保守を行う「独立系」の2種類に分類されます。ここでは、それぞれの特徴、メリット・デメリットを明らかにし、あなたの施設に合った会社を見つけるための客観的な比較ポイントをご紹介します。

メーカー系保守会社の特徴

メーカー系保守会社とは、三菱、日立、東芝といった、エレベーターの製造も手掛けるメーカー、またはその系列会社のことです。

  • メリット
    • 絶対的な安心感と信頼性
      自社で製造した製品なので、その構造や特性を最も深く理解しています。最新の技術情報や詳細なデータも豊富です。

    • 純正部品の安定供給
      交換が必要な部品は、当然ながら純正品が迅速かつ確実に手に入ります。品質面での心配はまずないでしょう。
  • デメリット
    • 料金が高額になる傾向
      ブランド価値や手厚い研究・開発体制を維持するため、保守料金は独立系に比べて高めに設定されています。

    • 契約の柔軟性が低い場合がある
      全国一律のサービス基準や定型的な契約プランが基本のため、個別の要望に応じた細かなカスタマイズは難しいことがあります。

    • 他メーカーの機種には対応できない
      原則として、自社が製造したエレベーターのみが保守の対象となります。

独立系保守会社の特徴

独立系保守会社とは、特定の製造メーカーに属さず、独立した立場でエレベーターの保守・メンテナンスを専門に行う会社のことです。私たちアイニチも、この独立系保守会社にあたります。

  • メリット
    • 料金がリーズナブル
      メーカー系のようなブランド維持コストなどがかからないため、一般的に20%~40%ほど安い料金で質の高いサービスを提供できます。

    • 契約の柔軟性が高い
      オーナー様の予算や要望に応じて、契約内容を柔軟にカスタマイズしやすいのが特徴です。

    • メーカーを問わず対応可能
      様々なメーカーのエレベーターに対応できる技術力(マルチベンダー対応)を持っているため、複数のメーカーの機種が混在する施設でも、窓口を一本化できます。
  • デメリット
    • 会社によって技術力や対応に差がある
      最も注意すべき点です。豊富な実績と高い技術力を持つ優良な会社がある一方で、そうでない会社も存在するため、信頼できる会社をしっかりと見極める必要があります。

    • 最新機種の情報・部品入手に時間がかかる場合がある
      メーカーからの直接的な情報提供がないため、独自のネットワークやノウハウが重要になります。

【比較表】メーカー系 vs 独立系 7つのチェック項目

どちらのタイプの会社が優れているというわけではなく、それぞれに長所と短所があります。以下の比較表を参考に、ご自身の価値観や重視するポイントと照らし合わせてみてください。

チェック項目メーカー系保守会社独立系保守会社
① 料金高めの傾向リーズナブル
② 技術力自社製品に特化多メーカー対応(※会社による)
③ 対応速度全国的な拠点網地域密着型で迅速な場合も
④ 部品供給力純正品で安定独自の供給ルート(※会社による)
⑤ 契約の柔軟性定型的柔軟性が高い
⑥ 情報量自社製品に精通複数メーカーの知見
⑦ 対応メーカー自社製品のみメーカーを問わない

エレベーターの保守費用を安くする4つの具体的ステップ

さて、ここまでの知識を元に、いよいよ実践編です。「どうすれば、安全性を維持したまま保守費用を安くできるのか?」そのための具体的なアクションを、4つのステップに分けてご紹介します。ぜひ、ご自身の施設の状況と照らし合わせながら読み進めてください。

STEP1:現在の契約内容と費用を再確認する

何事も、まずは現状把握から。お手元に、現在契約している「保守契約書」と、毎月の「請求書」をご用意ください。そして、以下の4つのポイントを確認してみましょう。

  • ① 契約会社: メーカー系ですか? それとも独立系ですか?
  • ② 契約種別: POG契約ですか? それともフルメンテナンス契約ですか?
  • ③ 月額料金: 毎月いくら支払っていますか?
  • ④ 契約期間: 契約期間はいつまでで、次の更新はいつですか?

この4点を確認するだけで、冒頭の料金相場比較表と照らし合わせ、自社の費用が高いのか安いのか、おおよその立ち位置が見えてくるはずです。

STEP2:契約形態を見直す(フルメンテナンス → POG)

もし現在の契約が「フルメンテナンス契約」で、かつエレベーターの築年数が浅い(例:15年未満)場合、月額料金の安い「POG契約」への切り替えを検討するのも一つの手です。
ただし、これは故障時の出費リスクを自ら負うことを意味します。安易な変更はせず、修繕積立金の状況なども考慮して慎重に判断しましょう。

STEP3:独立系保守会社への切り替えを検討する

現在の契約先が「メーカー系」の場合、最も効果的なコスト削減策となるのが、独立系保守会社への切り替えです。
「品質が落ちるのでは?」と心配されるかもしれませんが、前述の通り、優良な独立系保守会社を選べば、メーカー系と同等かそれ以上のサービスを、より安価に受けられる可能性は十分にあります。

STEP4:複数の会社から相見積もりを取得する

これは、コスト削減において最も重要かつ確実なステップです。現在の契約内容を維持するにしても、切り替えを検討するにしても、必ず最低でも2~3社から見積もり(相見積もり)を取得しましょう。 相見積もりには、以下のようなメリットがあります。

  • 自社の適正な価格相場がわかる
  • 各社の提案内容やサービスレベルを比較できる
  • 現在の契約会社との価格交渉の材料になる

手間を惜しまず相見積もりを取ることが、後悔しない業者選びとコスト削減への一番の近道です。

失敗しない!信頼できるエレベーター保守会社の選び方

「独立系も良さそうだけど、どうやって信頼できる会社を選べばいいの?」という疑問にお答えします。価格の安さだけで選んでしまうと、いざという時の対応が悪かったり、技術力が不足していたりして、後悔することになりかねません。安全と安心を任せられる会社を見極めるための、3つの重要なポイントをご紹介します。

対応力で見極める

  • 緊急対応体制
    万が一の故障や閉じ込めが発生した際、どのような受付体制になっているかは、必ず確認すべき重要なポイントです。深夜や休日でも対応してくれるのか、そして連絡を受け付けてから実際にどれくらいの時間で現場に駆けつけてくれるのか。対応の速さは、利用者の安全に直結します。会社の営業所が施設の近くにあるか、地域ごとの緊急対応拠点が充実しているかなど、いざという時に迅速に動ける具体的な体制が整っているかを確認しましょう。

技術力で見極める

  • 実績と歴史
    創業からの年数や、これまでの管理台数は、多くのオーナーから信頼されてきた証です。会社のホームページなどで実績を確認しましょう。

  • 有資格者の在籍
    昇降機の専門知識を持つ証明である「昇降機等検査員」の資格者がどれくらい在籍しているかも、技術力を測る一つの指標になります。

契約内容で見極める

  • 見積もりの透明性
    提示された見積もりの内訳が明確で、何にいくらかかるのかが素人でも分かりやすく記載されているかを確認しましょう。不明瞭な項目がある場合は、納得できるまで説明を求めるべきです。

  • 損害賠償保険への加入
    万が一の事故に備え、十分な補償内容の損害賠償保険に加入しているかは、必ず確認すべき必須項目です。

よくあるご質問(FAQ)

最後に、エレベーターの保守契約に関して、お客様からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. マンションのエレベーター保守費用も同じ考え方で良いですか?

A. はい、基本的な考え方は全く同じです。ただし、マンションの場合は管理組合の総会での決議など、所有者(区分所有者)間での合意形成プロセスが必要になります。相見積もりの結果や、各社の提案内容を比較した分かりやすい資料を作成し、理事会や総会で丁寧に説明することが重要です。

Q. 法定検査の費用は保守契約に含まれていますか?

A. いいえ、基本的には「別途費用」となっているケースがほとんどです。年に一度の法定検査(定期検査報告)は、保守会社の行う「保守点検」とは別の、法律で定められた検査です。ただし、会社によっては法定検査費用を保守料金に含んだプランを用意している場合もありますので、契約時に確認しましょう。

Q. 独立系は「部品が手に入らない」と聞きますが本当ですか?

A. それは過去の話か、一部の技術力のない会社の場合です。現在の優良な独立系保守会社は、独自の部品供給ネットワークを確立しており、メーカーを問わずほとんどの部品を調達できます。メーカーが独占しているごく一部の特殊な電子部品などを除き、保守・修理に支障が出ることはまずありません。

Q. 見積もりを依頼したら、しつこく営業されませんか?

A. 信頼できる会社であれば、お客様の意思を尊重せず、強引な営業活動を行うことはありません。
むしろ、お客様が納得いくまで丁寧に説明し、比較検討する時間を与えてくれるはずです。安心して、まずは気軽に問い合わせてみましょう。

まとめ:適正な保守費用で、安全と安心を。まずは専門家にご相談ください

今回は、エレベーターの保守費用について、その相場が決まる仕組みから、契約形態や業者の違い、そしてコストを賢く削減するための具体的な方法まで、詳しく解説してきました。

重要なことを繰り返します。保守費用は、ただ安ければ良いというものでは決してありません。 価格だけに囚われて、安全やサービスの質を落としてしまっては本末転倒です。目指すべきゴールは、「あなたの施設に合った、適正な価格で、質の高い安全と安心を手に入れること」です。

そのためにも、まずはこの記事を参考に、現在のご自身の契約内容をしっかりと見つめ直すことから始めてみてください。そして、少しでも疑問や不安を感じたら、ぜひ私たちのような専門家にご相談ください。

私たちアイニチ株式会社は、長年の実績と高い技術力を持つ独立系の保守会社として、お客様一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、メーカー系・独立系といった垣根を越えた中立的な視点で、最適な保守プランをご提案します。もちろん、ご相談・お見積もりは無料です。無理な営業も一切いたしません。

適正な保守費用で、これからも末永くエレベーターを安全に利用するために。その第一歩を、私たちがお手伝いします。

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