全国対応!
お気軽にご連絡ください!

お電話でのお問い合わせ 8:30~17:30(土・日・祝を除く)

豆知識

投稿日 2016/06/10
更新日 2024/07/22

エレベーターの定期検査と保守点検の違いとは?性能検査・定期自主検査についても解説

エレベーターの定期検査と保守点検の違いとは?義務や罰則についても解説

エレベーターは安全のために、”定期検査”と”保守点検”をしなければなりませんが、この2つの意味の違いは何でしょうか?

そもそも、エレベーターの定期検査と保守点検は、建築基準法第8条「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」に基づき、実施されています。

さらに、この法令を実現する方法が、それぞれ記述されています。

定期検査

定期検査とは、検査者(一級建築士または二級建築士または昇降機等検査員)がおおむね6ヶ月~1年ごと(※1)に、「エレベーターが国土交通大臣が定める基準(※2)に適合しているかどうか」を調べることです。

定期検査の結果に基づいて、定期検査報告書を作成し、特定行政庁に報告しなければなりません。

(※1)多くの特定行政庁では、1年ごとと定めています。
(※2)国土交通大臣が定める基準(検査の項目、方法、判定基準)は、平成20年国土交通省告示第283号に記述されています。

法令

定期検査は、建築基準法第12条の3項により実施が定められています。

(報告、検査等)
3  昇降機及び第六条第一項第一号に掲げる建築物その他第一項の政令で定める建築物の昇降機以外の建築設備(国、都道府県及び建築主事を置く市町村の建築物に設けるものを除く。)で特定行政庁が指定するものの所有者は、当該建築設備について、国土交通省令で定めるところにより、定期に、一級建築士若しくは二級建築士又は国土交通大臣が定める資格を有する者に検査(当該建築設備についての損傷、腐食その他の劣化の状況の点検を含む。)をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
出典:建築基準法

定期検査の義務

定期検査は、建築基準法で定められた義務であり、所有者・管理者は必ず実施しなければなりません。もし検査を怠ったり、虚偽の報告を行った場合は、罰則を受ける可能性もあります。
これは、エレベーターの欠陥を見逃し、重大な事故を招くことを防ぐためです。

定期検査では、専門の検査員が安全装置の作動確認、機器の劣化状況の検査などを行い、エレベーターの安全性を総合的に判断します。検査結果は報告書にまとめられ、行政庁に提出されます。

エレベーターの定期検査は、利用者の安全を守るために欠かせません。
所有者・管理者は、法令を遵守し、適切な時期に検査を実施する責任があります。

保守点検

保守点検は、建築基準法第8条に基づいた定期的な点検であり、専門の技術者がエレベーターの異常がないかどうかを使用頻度に応じて詳細に調べます。
点検結果は記録され、3年以上保管されることによって、過去の点検内容と比較し、異常の兆候を早期発見することができます。

保守点検の目的は大きく2つあります。

安全性の保持

万が一の事故を防ぐため、エレベーターの安全装置が適切に作動していることを確認します。
具体的には、電気系統や扉開閉装置、巻上機ブレーキ制御などの不具合をチェックし、閉じ込め事故、段差発生・転倒事故、人が挟まる事故などの重大な事故を未然に防ぎます。

性能の維持

長期間にわたってエレベーターを安全かつ快適に利用するため、部品の摩耗や破損による性能低下を点検し、必要に応じて部品交換や調整を行います。
定期的な点検を怠ると、部品の寿命が短くなり、乗り心地の悪化、騒音の増加、故障の頻発などの問題が発生する可能性があります。

保守点検の内容

保守点検は、エレベーターを安全に長期間使用するために欠かせないものです。
エレベーターの法定耐用年数は17年ですが、適切な保守点検によって機械の寿命を20~30年まで延ばすことも可能です。

法定耐用年数とは、税法に基づいて固定資産の価値を示す期間を指し、エレベーターの法定耐用年数は国税庁によって17年と規定されています。ただし、これは税法上の目安であり、エレベーターの実際の寿命は使用環境やメンテナンスの状況によって異なることがあります。

保守点検では、主に以下の3つの内容を専門の技術者が丁寧に実施します。

1. 運転状態の確認

  • エレベーターの走行・着床状態
  • 扉の開閉状態と隙間寸法
  • 押しボタンや表示灯、カゴ内照明の動作と点灯状況
  • 機械室や昇降路内の機器の状態
  • 運転中の異音や振動
  • 故障の予兆

普段目に触れない機械室や昇降路内もしっかり確認し、異常の兆候を早期発見します。

2. 各種調整や注油

  • ブレーキパットの調整
    摩耗状況に応じて調整を行い、異常摩耗や動作不良を予防します。

  • 機械部品の注油
    軸受け、可動部、レールなどに注油を行い、異常摩耗や異音、振動による故障を予防します。

3. 摩耗・劣化部品の交換

  • カゴ内照明など、経年劣化により交換が必要な部品
  • 調整や注油を行っても、摩耗限界値に達した部品

部品の状態を詳細に確認し、適切なタイミングで交換することで、性能低下を最小限に抑えます。

性能検査・定期自主検査

定期検査や保守点検以外にも「性能検査」と呼ばれる検査も存在します。

性能検査は、労働安全衛生法に基づき、積載量1トン以上のエレベーター(特定機械等)に対して義務付けられている検査です。
外観試験、動作試験、荷重試験の3つを行い、エレベーターの性能と安全性を総合的に確認します。

定期検査報告と性能検査はどちらか一方を実施すればよいため、両方行う必要はありません。
つまり、性能検査を受けなければならない積載量1トン以上のエレベーターは性能検査を、それ以外のエレベーターは定期検査報告を行う必要があります。

さらに、性能検査に該当するエレベーターには、月に1回の「定期自主検査」を同時に行う必要があります。

  • ファイナルリミットスイッチ、非常停止その他の安全装置、ブレーキ及び制御装置の異常の有無
  • ワイヤロープの損傷の有無
  • ガイドレールの状態
  • 屋外に設置されているエレベーターの場合、ガイロープを緊結している部分の異常の有無

定期検査と保守点検・性能検査の比較表

定期検査と保守点検の違いについては、以下の通りです。

定期検査性能検査・定期自主検査保守点検
法令建築基準法第12条性能検査:労働安全衛生法
定期自主検査:クレーン等安全規則
建築基準法第8条
検査対象以下を除く、
すべてのエレベーター

・ホームエレベーター
・積載量1トン以上のエレベーター
積載量1トン以上のエレベーター
※設置の事業場の事業による
すべてのエレベーター
検査資格・一級建築士
・二級建築士
・昇降機等検査員
性能検査:労働基準監督署長または登録性能検査機関

定期自主検査:登録性能検査機関
なし
※専門技術者推奨
検査後発行証定期検査報告済証
定期検査報告済証
労働安全衛生法検査済証労働安全衛生法検査済証なし
罰則100万円以下の罰金6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金なし

まとめ

定期検査と保守点検は、どちらもエレベーターの安全を守るために欠かせないものです。

定期検査は、法令に基づいた義務であり、所有者・管理者は適切な時期に実施する必要があります。
一方、保守点検は法的な義務はありませんが、安全のために定期的に実施することが推奨されています。

それぞれの点検には、目的、対象、内容、報告先などが異なります。
この記事では、エレベーターの定期検査と保守点検の違いについて解説しました。

どちらの点検も、エレベーターの安全を守るために欠かせません。
所有者・管理者は、それぞれの点検の目的、内容、タイミングを理解し、計画的に実施する必要があります。
建物の安全性と利用者の安心を守るために、今すぐ点検の実施状況を確認しましょう。

アイニチ株式会社は、エレベーターに関する豊富な知識と経験を活かし、お客様のニーズに最適なソリューションをご提案いたします。
エレベーターに関するご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

WEB相談はこちら

関連記事

当社スタッフがお客様の昇降機(エレベーター・簡易リフト・小荷物専用昇降機)の状況(使用年数、故障箇所、不具合)等を伺い、必要であればリニューアル・部品交換も視野に入れた最善策をご提案いたします。

アイニチは、仙台・千葉・埼玉・東京・神奈川・名古屋・大阪・岡山・福岡の全国9箇所の拠点だけでなく、専門会社とパートナーシップを結び、全国すべての都道府県をカバーしています。(一部離島を除く)全国どこでも迅速な対応が可能です。

累計ご依頼実績2万件突破 全国対応、現地調査・診断は無料! 昇降機・エレベーターのメンテナンス・保守点検に関するご質問(安全面・法律・価格)など、お気軽にご連絡ください。 累計ご依頼実績2万件突破 全国対応、現地調査・診断は無料! 昇降機・エレベーターのメンテナンス・保守点検に関するご質問(安全面・法律・価格)など、お気軽にご連絡ください。

まずはお気軽にご連絡ください

お見積り完全無料 電話一本でOK! 最短翌日に駆けつけます! お見積り完全無料 電話一本でOK! 最短翌日に駆けつけます!

お電話でのお問い合わせ (営業時間8:30~17:30)