豆知識
エレベーターやエスカレーターなど、私たちの生活に欠かせない昇降機。
しかし、昇降機は常に安全に運行できるとは限りません。
事故や故障が発生すれば、利用者の命や財産に大きな損害を与える可能性があります。
そこで、昇降機には安全性を維持するために、定期的な検査や点検が義務付けられています。
この定期検査に必要となるのが「昇降機等検査員」の資格です。
この記事では、昇降機等検査員の役割から資格取得までの流れを詳しく解説していきます。
目次
昇降機等検査員とは、エレベーターやエスカレーター、小荷物専用昇降機及び遊戯施設等の定期検査を行うことができる国家資格です。
平成28年6月1日施行の建築基準法改正により、「昇降機検査資格者」に代わって「昇降機等検査員」が創設されました。
昇降機等検査員は、昇降機の構造や仕組み、安全に関する知識を有しており、定期検査や定期点検を通じて安全性を維持する役割を担っています。
エレベーターの安全性を確保するためには、定期的な検査と保守が必要です。
しかし、これらには昇降機等検査員の資格が必要なのでしょうか?
ここでは、昇降機等検査員の資格が、エレベーターの定期検査と保守点検時に必要なのかを解説していきます。
定期検査は、建築基準法第12条の3項により実施が定められており、おおむね6ヶ月~1年ごと(1年ごとと定める特定行政庁が多い)に有資格者が行います。
その検査結果に基づき、定期検査報告書を作成し、特定行政庁に報告します。
これは、エレベーターが国土交通大臣の定める基準に適合しているかどうかを確認するためのもので、昇降機等検査員(一級建築士または二級建築士の資格でも可)の資格が必要です。
エレベーターの保守点検は、建築基準法第8条に基づき、エレベーターの使用頻度に応じて日常的に実施する必要があります。
これは、エレベーターの適切な動作と利用者の安全を確保するために、メーカーや保守業者によって行われます。
保守点検においては、特定の資格が法的に要求されるわけではない為、専門的な知識や技能は必要ですが、昇降機等検査員の資格が無くても日常の点検や故障修理を行うことは可能です。
昇降機等検査員になるためには、昇降機等検査員講習を受講し、修了考査に合格する必要があります。
昇降機等検査員講習は、一般財団法人日本建築設備・昇降機センターが実施しており、講義はWEB講習と会場講習(東京か大阪)の2つの形式で受講することができます。
※修了考査の受講場所は会場(東京か大阪)のみになります。
昇降機等検査員講習の受講は、受講したいと思っても誰でも受講できるわけではありません。
昇降機等検査員講習の受講には、一定の条件が必要となります。
まず、大学で機械工学や電気工学、またはこれらに相当する課程を修めて卒業した後、昇降機や遊戯施設に関して2年以上の実務経験を有することが求められます。
また、機械工学や電気工学、またはこれらに相当する課程を修めていれば、短期大学を卒業された方は3年以上、専門学校を卒業された方は4年以上、最終学歴が高校や中学校の方は7年以上の実務を経験すれば受講できます。
その他、機械工学や電機工学を専攻できる学校を卒業していなくても昇降機または遊戯施設に関して11年以上の実務経験がある方など、上記以外の条件で受講資格がある場合もありますので、申込する際は、受講資格があるか確認してから申し込みするようにしましょう。
昇降機等検査員講習は、4日間にわたり、計22.5時間あります。
講義受講後に修了考査が行われ合否が決まります。
講習内容は、昇降機・遊戯施設定期検査制度総論、昇降機・遊戯施設に関する建築基準法令(昇降機関係)、建築学概論などが含まれます。
昇降機等検査員の資格取得には、受講料として46,200円(税込、テキスト代含む)です。
前年度不合格で、修了考査のみ受講する場合は、19,800円(税込、テキスト代含む)か11,000円(税込、テキスト代含まず)です。※2023年時点での金額になります。
昇降機等検査員は、エレベーターやエスカレーターなどの昇降機、またはジェットコースターや観覧車などの遊戯施設の安全確保のための定期的な検査を行う専門家です。
昇降機設備会社・設計会社、エレベーター保守会社などに就職し、高層ビルやマンション、病院や福祉施設、官公庁の施設など、さまざまな場所で昇降機の安全を守るスタッフとして活躍できます。
昇降機等検査員は、昇降機や遊戯施設の安全を守るために重要な役割を担っています。
そのため、全国的に需要があり、今後も必要とされる資格と言えるでしょう。
この記事を読んで、昇降機等検査員という資格に興味を持った方や、昇降機や遊戯施設の点検に関わる仕事に就きたい方は、昇降機等検査員の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
昇降機等検査員の資格取得は、きっとあなたのスキルアップや収入アップにも繋がることでしょう。
当社スタッフがお客様の昇降機(エレベーター・簡易リフト・小荷物専用昇降機)の状況(使用年数、故障箇所、不具合)等を伺い、必要であればリニューアル・部品交換も視野に入れた最善策をご提案いたします。
アイニチは、仙台・千葉・埼玉・東京・神奈川・名古屋・大阪・岡山・福岡の全国9箇所の拠点だけでなく、専門会社とパートナーシップを結び、全国すべての都道府県をカバーしています。(一部離島を除く)全国どこでも迅速な対応が可能です。
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