豆知識
いす式階段昇降機は、階段を上り下りするのが難しい方にとって、日常生活をサポートする大切な機械です。安全に利用するためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
しかし、定期検査と保守点検の違いがわからず、どのように管理すればよいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、いす式階段昇降機の点検方法や、検査の対象となる基準、さらに費用の相場まで、初心者にもわかりやすく解説します。
目次
いす式階段昇降機とは、高齢者や身体に不自由を抱えている方が、家の階段を安全に移動できるように設置される機械のことです。
見た目は、階段の手すり部分に取り付けられたレールに沿って、椅子が上下に動く仕組みになっています。
利用者は、椅子に座ったままリモコンやボタン操作で階段を昇り降りすることができます。
階段は家の中でも特に危険な場所の一つです。
年齢を重ねるにつれて、足腰が弱くなり、階段の昇り降りが難しくなったり、転倒するリスクが増えます。
いす式階段昇降機は、こうしたリスクを軽減し、毎日の生活を安全で快適にするための大切なサポートツールです。
階段の昇り降りが難しいと感じる方でも、この装置があれば、自分のペースで安心して移動できます。
多くのいす式階段昇降機は、直線階段だけでなく、曲がった階段や狭い階段にも対応しています。
そのため、ほとんどの家庭で設置可能です。また、階段昇降機は壁に大掛かりな工事をせずに、踏面・床面に取り付けるため、状況によりますが、大半は補強等なしで取付が可能です。
このように、いす式階段昇降機は、安全性と快適さを両立し、自宅内での移動をサポートする便利な設備です。
いす式階段昇降機を安全に使い続けるためには、定期検査や保守点検が必要です。
しかし、「定期検査」と「保守点検」は同じように聞こえても、その役割は異なります。
ここでは、それぞれの違いを初心者にもわかりやすく説明しつつ、いす式階段昇降機の点検にかかる費用相場について解説します。
定期検査とは、法律に基づいて昇降機の安全性を確認し、特定の行政機関に報告する義務のある検査です。
建築基準法の規定により、対象となる昇降機は1年に1度、資格を持つ専門の検査員が定められた項目をチェックし、その結果を行政に報告します。
この検査では、昇降機が基準を満たしているかどうかを確認し、不備があれば是正措置が必要です。
なお、定期検査は安全基準の確認が主な目的であり、メンテナンスや修理作業は含まれていません。
いす式階段昇降機が定期検査の対象になるかどうかは、設置されている場所や利用状況によって異なります。
エレベーターやエスカレーターと同様に、いす式階段昇降機も建築基準法で定期検査の対象として定められていますが、例外があります。
住宅内部のみを移動するいす式階段昇降機は、定期検査の対象外とされています。
これに対して、公共施設や複数人が使用する場合は、定期検査が必要な場合があります。
※管轄の行政機関によって変わる場合があります。
もし、いす式階段昇降機が定期検査の対象かどうか判断に迷った場合は、設置したメーカーや業者、または管轄の行政機関に確認するのが安心です。
保守点検は、いす式階段昇降機を安全に使用するための定期的なメンテナンス作業です。
法的な報告義務はないものの、故障や事故を未然に防ぐために重要な役割を果たします。
保守点検では、昇降機の動作確認や、部品の摩耗具合をチェックし、必要に応じて部品交換や調整、注油を行います。
保守点検の頻度は、機器の利用状況や設置場所により異なります。
一般家庭で使われる場合、通常は半年に1回または1年に1回程度が標準的です。
一方、商業施設や公共施設に設置されている昇降機では、利用頻度が高いため、毎月の点検が行われることもあります。
いす式階段昇降機は、日々の生活をサポートする大切な設備です。
しかし、快適に長く使い続けるためには、定期的な保守点検が必要です。
ここでは、いす式階段昇降機の保守点検がなぜ重要か、どのような作業が行われるのかについて、わかりやすく解説します。
いす式階段昇降機は、日常的に使用する中で少しずつ部品が摩耗したり、バッテリーが劣化したりします。
これらの劣化を放置すると、突然の故障や事故の原因になることがあります。
保守点検を定期的に行うことで、こうした問題を未然に防ぎ、安全で安心な使用を続けることができます。
保守点検は、安全性を高めるだけでなく、昇降機の寿命を延ばす役割も果たします。
例えば、部品の消耗が激しい場合には、早めに交換することで大きな故障を防ぐことができます。
結果的に、修理費用や突然のトラブルを回避できるため、長期的に見るとコストの節約にもつながります。
保守点検では、専門の技術者が昇降機の各部分を細かくチェックします。
主な点検項目としては、以下のようなものがあります。
これらの作業を通して、いす式階段昇降機の不具合を早期に発見し、安全に使い続けるための対策が取られます。
専門家による保守点検は重要ですが、日常的に利用者が簡単なチェックを行うことも役立ちます。
例えば、昇降機の動作に違和感がないか、音が普段と違わないかなど、異変に気づいたときには早めに点検を依頼することが大切です。
いす式階段昇降機の保守点検を怠らずに行うことで、安心して日々の生活を支えることができるでしょう。
いす式階段昇降機を安全に使用するためには、定期的な保守点検が欠かせませんが、「保守点検にはどれくらいの費用がかかるのだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、いす式階段昇降機の保守点検にかかる費用の相場について、わかりやすく説明します。
いす式階段昇降機の保守点検の費用は、点検内容や業者によって異なりますが、一般的な相場は1回あたり20,000円〜40,000円が目安とされています。
これは、点検項目や部品の状態、または機種によっても変動しますが、標準的な料金範囲です。
たとえば、基本的な動作確認や簡単な部品チェックだけなら20,000円程度で済むこともありますが、バッテリーの交換や消耗部品の交換が必要な場合は、費用が40,000円〜50,000円に上がることがあります。
さらに、大きな修理が必要な場合や部品の特殊な取り寄せが発生すると、それ以上の費用がかかることもあります。
保守点検の費用を抑える方法として、メーカーや業者と年間契約を結ぶという選択肢もあります。
年間契約をすると、定期的な点検があらかじめセットになり、1回ごとの点検費用よりも割安になる場合が多いです。
たとえば、年間契約で40,000円〜70,000円程度で、数回の点検が含まれるプランが一般的です。
年間契約を利用すると、突然の故障に対応してくれる保証が付いていたり、緊急時のサービスを割引価格で受けられることもあるため、長期的に見ると安心感があります。
保守点検を依頼する際には、事前に見積もりを取って費用を確認することが大切です。
業者によっては、点検費用に含まれる内容が異なる場合がありますので、どの部分がチェックされ、どの作業に追加料金が発生するかを確認しておくと安心です。
また、部品の交換が必要な場合や修理が発生する場合には、追加費用がかかることがありますので、事前にどの程度の費用が発生するかをしっかりと確認しておきましょう。
いす式階段昇降機の保守点検は、安全に使い続けるための重要なメンテナンスです。
費用はかかりますが、定期的な点検を行うことで、故障や事故を防ぎ、昇降機の寿命を延ばすことができます。
トータル費用を抑えつつ、快適な生活をサポートするためにも、適切な点検を受けることが大切です。
いす式階段昇降機は、高齢者や身体の不自由な方が安全に移動するための重要な設備です。
しかし、安全に使い続けるためには、定期的な点検が不可欠です。
この記事では、いす式階段昇降機の基礎知識や、定期検査と保守点検の違い、そして保守点検の費用相場について解説しました。
いす式階段昇降機の保守点検は、決して安価なものではありません。
しかし、万が一の故障による事故を防ぐためには、費用対効果が高いと言えるでしょう。
ご自宅にいす式階段昇降機を設置されている方、またはこれから設置を検討されている方は、この記事を参考に、ぜひアイニチ株式会社にご相談ください。
当社の専門スタッフが、お客様の施設に合わせた最適な点検プランをご提案いたします。
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当社スタッフがお客様の昇降機(エレベーター・簡易リフト・小荷物専用昇降機)の状況(使用年数、故障箇所、不具合)等を伺い、必要であればリニューアル・部品交換も視野に入れた最善策をご提案いたします。
アイニチは、仙台・千葉・埼玉・東京・神奈川・名古屋・大阪・岡山・福岡の全国9箇所の拠点だけでなく、専門会社とパートナーシップを結び、全国すべての都道府県をカバーしています。(一部離島を除く)全国どこでも迅速な対応が可能です。
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